ベトナム語学習のデメリットは「挫折」してしまうこと【原因と対策を解説】

  • ベトナム語学習のデメリットは何だろうか?
  • ベトナム語を学ぶ上で、大変な事は?
  • ベトナム語話者の経験を、先に知っておきたい。

こういった疑問にお答えします。

筆者は、ベトナムのホーチミンとハノイで生活し、過去2社、ビジネスの現場でベトナム語を使用してきました。
今回は、「ベトナム語学習にはどういったデメリットがあるのか」「その解決策」を、実体験を交えて解説していきます。

ベトナム語学習の最大の敵「挫折」にフォーカス

ベトナム語学習をする上でのデメリットは、以下2種類に分類ができます。

  1. ベトナム語を「学ぶ過程」におけるデメリット
  2. ベトナム語を「習得することで遭遇する」デメリット

ベトナム語を「学ぶ過程」におけるデメリットについては、最悪のシナリオだと、どれも挫折に繋がります。
挫折することで、今まで投じた時間や費用が無駄になってしまうからです。

ではどうしてベトナム語は挫折しやすいのでしょうか。
今回は、「ベトナム語学習を挫折しやすい3つの理由」と、その克服方法にフォーカスして、解説します。

予め、「落とし穴」を知っておくことで、事前に準備・対策をし、スムーズにベトナム語学習を進められる助けになれば嬉しいです。

【挫折しやすい理由1】発音習得の難易度が高い。

挫折しやすい理由の1つ目は、発音習得の難易度が高いことです。

一般的に、ベトナム語は難しいと言われています。
その難しさを、客観的に表す内容が2つあります。

  1. 習得の目安時間が「44週間(1,100時間)」
  2. 日本語にはない発音の特徴が存在する。

【ベトナム語が難しい理由1】習得の目安時間が「44週間(1,100時間)」

アメリカの外交官養成局(FSI: Foreign Service Institute)が、語学に関する、あるデータを発表しています。
英語母国語話者が、専門的な仕事の遂行に必要なレベル(Professional working proficiency)に達するまでの「教室での必要学習時間数」を算出したデータです。

このデータによると、ベトナム語は4カテゴリーの内、上から2つ目のカテゴリー3に位置しています。
必要な時間数は、なんと「44週間(1,100時間)」
月換算で、11ヶ月となります。

一般的に難しいと言われるドイツ語(カテゴリー2の「36週間(900時間)」)よりも、難易度が高いのです。

ターゲットは日本語話者ではないデータであるものの、ベトナム語習得の難しさを物語っていると言えるでしょう。

【ベトナム語が難しい理由2】日本語にはない発音の特徴が存在する。

2つ目は、日本語にはない発音の特徴が存在することです。

ベトナム語の特徴として有名な「声調」を含め、日本語とは異なる発音の特徴が3つあります。

  1. 声調が6種類
  2. 母音が10種類
  3. 語末が子音で終わる言語である

詳細は、別の記事で徹底解説します。

ここでお伝えしたいことは、「母国語である日本語とは、異なる発音の習得が必要なため、時間がかかる」ということです。

学習に長時間必要なことと、日本語には無い音が存在すること
この2点が、ベトナム語習得の難易度が高く、挫折しやすい理由の1つ目です。

【挫折しやすい理由2】正確に発音しないと通じない。

ベトナム語は正確に発音しない限り通じにくい言語です。

筆者が学んだ感覚値だと、英語、中国語、スペイン語に比べ、高い精度の発音でない限り、現地人には理解をしてもらえません。
せっかく学んだ言葉を試しても、ベトナム人に通じないと、学ぶ意欲を落としやすくなるでしょう。

しかも、現地人特有の、ある相づちも、その意欲をへし折るのに拍車をかけます。
特に郊外出身の人や年配者が、聞き取れない時に、「はぁ?」という反応をすることがあるのです。
我々日本人にとっては、少し傷つくような反応でしょう。

因みに、この相づちは、ベトナムでは失礼な反応ではありません。
ただ、都市で暮らす人、外国人と働いた経験のある人には、こういった相づちは、あまり見られません。

正確に発音をしない限り通じないと言うのが、ベトナム語が挫折しやすい理由の2つ目です。

【挫折しやすい理由3】ベトナム語を話せなくても、仕事も旅行も何とかなる。

3つ目は、ベトナム語を話せなくても、仕事も旅行も何とかなると言う点です。
ここで、何とかなると言うのは、「目的が達成できてしまう」という意味です。

もしあなたが日本にいる場合、同僚や部下のベトナム人との簡単な意思疎通は、ベトナム語無しで可能でしょう。

彼らにとっては日本という外国で就労・生活しており、日本語学習の必要性が高いためです。

もしベトナム在住の場合ビジネスにおいては、部下や同僚に日本語や英語ができる人と仕事をしている場合が多いのではないでしょうか。

旅行や日常生活においても、ジェスチャーやボディーランゲージで、こちらが注文したいものを伝えたり、お会計をしたり、などは可能です。

このように、「何とかなってしまう」状況だと、「何が何でもベトナム語を勉強しなくてはならない!」と言う強い意欲は生まれにくいのです。

日本やベトナムで、ベトナム人とビジネスをする人にとっては、ありがたい状況でしょう。
しかし、語学習得という観点から見れば、この「ベトナム語無しでも何とかなる」状況が、ベトナム語習得を阻む要因になっているのです。

挫折を防ぐ方法3つ

ベトナム語を学ぶ上で、「発音の難易度の高さ」と、「ベトナム語無しでも何とかなる」状況が、挫折の要因になっていることがわかりました。

ではどうすれば良いのでしょうか。

筆者が考える「挫折を防ぐ方法」は、以下の3つです。

  1. 最初の3ヶ月は発音のみの学習に当てる
  2. 「日本語や英語を話すベトナム人」から、厳し目のフィードバックをもらう。
  3. 目的意識、ゴール、期限を可能な限り明確にする。

順番に解説します。

【挫折を防ぐ方法1】最初の3ヶ月は発音のみの学習に当てる

解決策の1つ目は、「最初の3ヶ月は発音のみの学習に当てる」ことです。

外国語の学び始めは、すぐに使えるフレーズを学びたくなるでしょう。
旅行など、一時的に必要な場合であれば、それでも良いかもしれません。

ただし、もし流暢に話すことを目指すのであれば、学習当初は発音に特化して学習することをオススメします。
理由は、後になる程、発音修正が難しくなるためです。

  1. 数ヶ月〜数年、続けてきた発音により、自分が不正確な発音をしていると気付きにくい。
  2. 「今までこんなに学んだので、今さら、発音学習に戻らなくてもよいだろう(戻りたくない)」という心理が働く。

私自身、ベトナム滞在7年目に初めてベトナム企業に就職した際、こちらの意図が通じにくい事が多くありました。
その原因が発音にあること、発音修正が必要なことに気づくのに、大変時間が掛かりました。
学び始めてから時間が経っており、「自分の発音が間違っているのではないか?」と認めたくなかったからです。

長期的にベトナム語習得を目指す人は、発音学習から始めましょう。

【挫折を防ぐ方法2】「日本語や英語を話すベトナム人」から、厳し目のフィードバックをもらう。

解決策の2つ目は、「日本語や英語を話すベトナム人」から、厳し目のフィードバックをもらうことです。

「日本語や英語を話すベトナム人」が良い理由は、日本人アクセントが混ざったベトナム語の発音も、聞き取ってくれる確率が高いからです。

「外国語を話さないベトナム人」だと、日本人なまりのあるベトナム語を聞き取れないケースが多いです。
すると、具体的にどの発音を修正して良いか分かりません。
挫折する理由2で述べたように、「はぁ?」と、少々ショッキングな相づちをされてしまうなど、続かない要因にもなってしまうでしょう。

ただ、「日本語や英語を話すベトナム人」でも、発音に対して厳し目のフィードバックをするよう、依頼することが肝心です。
同僚や友人はもちろん、ベトナム語の先生や家庭教師であっても、発音を大目に見てくれる場合が多いからです。
ベトナムの方々の優しさを感じられる側面ですが、「大目に見てもらう」と発音向上が進みません。

筆者は、発音改善をお願いする時、以下2つの質問を投げかけるようにしています。

  1. 「今の僕の発音は、100%ベトナム人と同じ発音ですか?」
  2. 「具体的にどの音が、ベトナム人の発音と違いますか?」

正確な発音を身につけるために、「日本語や英語を話すベトナム人」から、厳し目のフィードバックをもらうようにしましょう。

【挫折を防ぐ方法3】目的意識、ゴール、期限を可能な限り明確にする。

解決策の3つ目は、「ベトナム語学習の目的意識、ゴール、期限を可能な限り明確にする」ことです。

語学習得に最も有効な手段は、「必要性を持つこと」です。
この必要性があれば、どんなに仕事で忙しくても、日々の学習を続けられるでしょう。
逆に言えば、必要性が曖昧だと、仕事や家庭、他に優先度の高い事が発生した時に、学習を辞めてしまう原因になってしまうのです。

ベトナム語学習を始める時は、どんな小さなきっかけでも構いません。
しかし、学習を継続し、「使える」レベルまで高めるには、確固たる目標が求められる、と経験から実感しています。

筆者の場合、初めてベトナム渡航した2013年5月、以下のような目標を設定しました。

  • 目的:ベトナム人とベトナム語で交流をすること。
  • ゴール:ベトナム語しか話せない同僚と、ベトナム語のみで会話すること。
  • 期限:6ヶ月

また、目標を達成するため、渡航後6ヶ月間は以下の2つにコミットしました。

  • 仕事終わりの3時間はベトナム語の教科書で学習すること。
  • 家庭教師をつけ、週2回学習すること

結果、学習開始後6ヶ月で、日常会話の意思疎通ができるレベルまで、話せるようになりました。

挫折を防ぐために、目的意識、ゴール、期限を可能な限り明確にしましょう。

まとめ

今回は、ベトナム語学習するデメリットの中でも、挫折しやすい理由と解決策にフォーカスして記事をお届けしました。

まとめると、ベトナム語を「学ぶ過程」におけるデメリットは、挫折しやすいことで、その理由は以下の3つです。

  • 【挫折しやすい理由1】発音習得の難易度が高い。
    •  【ベトナム語が難しい理由1】習得の目安時間が「44週間(1,100時間)」
    •  【ベトナム語が難しい理由2】日本語にはない発音の特徴が存在する。
  • 【挫折しやすい理由2】正確に発音しないと通じない。
  • 【挫折しやすい理由3】ベトナム語を話せなくても、仕事も旅行も何とかなる。

また、挫折を防ぐ方法も3つ紹介しました。

  • 【挫折を防ぐ方法1】最初の3ヶ月は発音のみの学習に当てる
  • 【挫折を防ぐ方法2】「日本語や英語を話すベトナム人」から、厳し目のフィードバックをもらう。
  • 【挫折を防ぐ方法3】目的意識、ゴール、期限を可能な限り明確にする。

学習開始前や直後に、挫折につながる「落とし穴」となる理由を事前知ることで、対策し、ベトナム語学習を続けられやすくなるでしょう。

長期的にベトナム語習得を目指す方にとって、参考となれば幸いです。

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